筋肉とおつむ

夏場にはプールであった場所を冬に向けてアイススケート場に変えるというバイトをする。あのリンクの下には実は巨大な鉄の土台があり、その上には全体を覆う木の板が幾枚もはられている。寒いだろうと思って厚着をしていった自分が悲しかった。木の板をただひたすら倉庫から運び出し、並べていくという作業は、二の腕、背中、腰、太ももにかけて大きなダメージを残したのだった。痛いというよりは、もう動かない。椅子から立てない。とは言っていられないのが学生。

学会発表も終わったので、聴覚文化研究の教科書的な論文集を訳すことに。

Auditory Culture Reader (Sensory Formations Series)

Auditory Culture Reader (Sensory Formations Series)

visual culture readerの聴覚版という方もいるが、そうではないようだ。むしろ感性的諸体験の全体に関する聴覚からの捉え直しであり、視覚的メタファーに頼ってきた解釈に対する耳組からの解答なのだ(そうらしいのだ)。とはいえ、最近は私も視覚側に寄っている気もしますが。何はともあれ、まずは序文訳をきちっと作ろう。

観光のまなざし―現代社会におけるレジャーと旅行 (りぶらりあ選書)

観光のまなざし―現代社会におけるレジャーと旅行 (りぶらりあ選書)

住所が向こうに届いていなかったようで、ようやく届く。フーコーの「まなざし」論(医学に関する論文で書かれているようだが、まだチェックしていない。うーむ。)を手掛かりに観光者の視線と観光的な視覚的イメージとを分析していくというもの。観光社会学の系譜も整理して論じられているので、とても分かりやすい。素敵だ。