バベル以降の科学

Instruments and the Imagination

Instruments and the Imagination

第六章の「バベル以降の科学(Science since Babel)」を読む。人名が多すぎて整理しきれない。

アダムが神に与えられた言語が、バベルの塔以降に統一を喪失したという聖書の物語と、その失った普遍言語を回復しようとする一連の願望を科学的な言説の中に読み取る論考。人間の間の言語的差異を埋める普遍言語の模索から、自然と人間の間を媒介する普遍言語=自然言語を諸々の実験器具によって判読しようとする試みが行われるようになる。さらに収集されたデータを言語としてどのように扱ってきたのかを、分類学的なタブローの段階から、分析的なグラフへの流れの中でざっと追っている。点の思考からグラフの線の思考へ、グラフの線は記述の線とも関わってくる。自然がそれ自体を言語として書くこと、それが19世紀以降の実験器具、とりわけフォノトグラフという器具の名称に潜在する願望だった。

最後はマレーを経て、パースの記号論へ、情報てんこもり論文。

音響複製技術を音の複製・反復とは異なる観点から見直すには参考になった。

孤独の克服―グラハム・ベルの生涯

孤独の克服―グラハム・ベルの生涯

グラハム・ベルの伝記。一応、読んでおく。