エーテルを聞く

学会予行演習を見ていただく。まだまだ突貫工事段階。

フォノグラフの擬人化・フランス編
フランスに留学していた先輩によれば、1910年代のフランスでもフォノグラフの興行はあったという。人間の上半身塑像の口の部分にフォノグラフの喇叭口が取り付けられ、そこから再生音が聞こえてくるというかなり不気味なものだったようだ。挿絵があったとのこと。

予行演習をして思ったが、フォノグラフ受容についての一次資料が少なく、議論の中でも一番重要な部分がまだ軽い。今回の発表には間に合わないが、フォノグラフの聴取がどのようなものだったのか、現在の聴取とのズレをより具体化する必要を感じた。

テルミン
大人の科学テルミンminiが発売された。さっそく買う。小さいけれど、なかなか楽しい。指先で探るエーテル

以前、ケージについてあれこれ読んでいたときに、テルミンについて書いた文章を見つけたことがある。ケージはクラシカルなヴァイオリンの演奏を模倣しようとするテルミン奏者に対して、まだ調性に束縛されるのかと憤っていた。その後、行った上演がこれ。ケージによれば、演奏者は調性の束縛から、ダンサーは音楽への従属から解放されなければならない。そんなニュートラルな地点が果たしてあるのかと思いをはせつつ、テルミンを作るのだった。