アメリカン・ジョーク?
ゼミの間でたまに飛び交うアドルノについてのジョークが気になる。何を言っているのか、何が面白いんだかよく分からないが、あまりいい笑いではないことは分かる。ちょっと気になったので後でアドルノってどういう扱いなのか聞いてみたら、この国では絶対的に同意するか、絶対的に反発するかどっちかしかないんだと言っていた。具体的にどういうことなのかよく分からないが、やはり研究対象によって意見が分かれるそうだ。ポピュラー音楽研究でのアドルノの参照の仕方がずっと気になっているので、図書館で関連書を探してみる。小川博さんはアドルノはポピュラー音楽研究の「踏み絵」のようなものだと言っていたが、たしかにみんな踏まないと安心できないというか、とりあえず踏んでおいたら安心という態度をとりつつ、ネガティヴな形で依存しているような気がする。
アメリカで学生が必ず読む音楽系のアドルノ論集を聞いたら、これを薦められた。
- 作者: Theodor Adorno,Susan H. Gillespie
- 出版社/メーカー: University of California Press
- 発売日: 2002/08/19
- メディア: ペーパーバック
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考えてみたら、英米圏でも日本でもわりとたくさんの翻訳が出ているのに、ポピュラー音楽の分野で参照される著作は非常に限られている。音楽・メディア論集が出てからも日本でそれに載っている論文を参照している人は見たことがないし、英米の論文でも管見の限り「針のカーヴ」論を書いているBarbara Enghの"Adorno and the Sirens”くらいだと思う(たしか以前に紹介した)。
この本も参照されているのを今のところ見たことないが、ポピュラー音楽の分野でアドルノ論をメインにしている研究者は少ないのでチェック。タイトルがいかしている。
- 作者: Robert Miklitsch
- 出版社/メーカー: State Univ of New York Pr
- 発売日: 2006/04/06
- メディア: ハードカバー
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