脂肪に流れる時間
映画理論の授業の関係でマイケル・ムーア監督の≪ロジャー&ミー≫(1989)を見る。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/10/06
- メディア: DVD
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
映画内で彼は太ったりやせたり、体格が急激に変化する。この映画が現実の時間軸(二年間でずいぶん太りましたね)を忠実に追ったものではないことを、彼の脂肪は証明する。最後になってようやく叶うロジャーとの邂逅に向けて、社に対する観者の憤りは何度もはぐらかされ、その都度高められていくように編集されている。非常にシンプルな主張にも拘わらず、2時間飽きずに見せるというのは、物語構築のうまさなのだろうか。それにしても敵を作るのがうまい、あるいは好きな監督だ。