歪んだ車窓から

yasuhamu2006-11-24

今日は関西大学へ資料探しの旅に。『旅』という雑誌を通覧したいと申し込んでいたのだが山のように用意してくれていた。実際に見たのは10冊ほど。図書館のお姉たま、ごめんなさい。

■忘れないうちに
面白い記事を見つける。昭和三年の三月号の巻頭記事「歪められたる風景」(芳賀宗太郎)。

宗さんは汽車で旅行中、車窓から見える人の顔が奇妙に歪んでいることに気付く。大正期から昭和初期にかけて、交通料は安価になったが、窓ガラスもコスト削減のため低質なものに代えられたからだという。彼は歪みによる幻想的なスペクタクルをしばし楽しむが、次第にこれは「本当の風景」ではないと考えるにいたる。「あるがままの正体をあるがままに見るのがほんと」だからだ。

このとき透明な窓硝子は、「内部から外界を明白に観得る」ための視覚的装置としての性質を明らかにする。歪みは、彼が細部の詳細な「風景」を求めていたことを事後的に示す。この歪みは同時に、彼が車窓というフレームを隔てて流れるスペクタクルを求めていたことも示すのではないだろうか。フレームとガラス、それらはカメラと相似性を持っているようにも思われる。まだうまく整理がつかないが、民謡の旅の視覚性と繋げてみたい。

■楽器
また楽器が欲しくなる。yamaha RX-7。中古で7000円くらいで安い。rolandは人気でプレミアが付くが、yamahaやcasioはださいと思われがちなので残念なくらい安い。"get funky"とか"hey"とか黒い声ネタやルパンのワルサーの銃声まで入っている。アホ楽器だが音はごんぶと。写真が傾いて見えるのは錯視だろうか。