立体を聴く

修論提出。軽率な言葉についてはすみませんでした。公の場に向けて文章を書く身として、深く反省します。
論文を読み直し、要旨を作る。

それとは別に
C.G.(コンピュータグラフィックス)ステレオグラム〈2〉
先生にお借りする。坂本龍一のエッセイ「ステレオグラムと音楽のグルーヴ」。ステレオグラム的な聴取体験を坂本は二つ挙げている。第一に、フレーズのわずかなズレが生み出す「虚の音」(楽譜にはない、聞こえないはずの音)。第二に、ビートの微妙なズレが生み出す「立体的なリズム」(その微妙なズレをコントロールするものがグルーヴだという)。坂本龍一は両者をメロディとリズムに分けて考えているが、立体が聞こえるという時、両者はまったく異なる体験というわけではない。

ちなみに坂本龍一がY.M.Oで試みていたのは、コンピューター音楽でどうやってグルーヴを出すかということだったという。人間が演奏をすると必ず揺らぎが出る。一定のクロック信号に基づいたコンピューターで人工的な揺らぎ=ステレオグラムを作ること。現在のMIDIシーケンサー(音のデータを打ち込むためのコンピューター)には、クォンタイズ機能というのがついていて、生演奏の揺らぎを再現(しようと)してくれる。妙に生々しく幾何学的な立体が聞こえてくる。

ステレオグラムをずっと見ていたので交差法が身に付いたのか、バイト中に焼き鳥(一人前三本)が飛び出て見えた。