読書会しませんか

■表現の政治学
増田聡先生の授業を受けに発達科学部へ行く。海抜が高いせいなのか、桜が見ごろだった。今回はガイダンスで(授業内容を知らない生徒が大半だった)、19世紀の書物の著作・出版・流通に適用して作られた著作権法と、現在のデジタル化された音楽データの流通や録音複製の間の摩擦、著作権のこれからの展開を大まかに説明していただいた。

関心を持ったのは、数年前に報道されていたという女子高生に関する逸話。彼女らはカラオケを歌うためにシングルCDを買うが、複製を作り、データとして保存し、共有しあい、歌を覚えてしまうとCDを捨てるのだという。衝撃を受けたが、この衝撃は僕が音楽をモノとして所有し、またモノと切り離せない様態で聴き、使用していたことを明らかにする。増田先生もおっしゃっていたが、反対にCDを捨てる女子高生にとって音楽はデータなのではないだろうか。録音メディアはこすることで音を出したり、経年劣化によって記憶の追想へと導く霞をかけたりするものではなく、音を容れるための一時的な容器のようなものになったのかもしれない。

やはりi-podについては早めに取り掛かるべきだろう。何から手をつけていけばよいのか、風呂敷が広がりすぎた新春の候。

Sounding Out the City: Personal Stereos and the Management of Everyday Life (Materializing Culture Series)

Sounding Out the City: Personal Stereos and the Management of Everyday Life (Materializing Culture Series)

人数が集まれば、増田先生と一緒にこれの読書会をしようかと思っています。音楽のモバイルについて書いた論文集です。時間は発達の授業前の木曜4限がよいかと思うのですが、希望される方がいらっしゃれば状況によって変えようと思います。ぜひ、ご一報ください。