視覚文化についてのアンケート

■アンケート
『オクトーバー』誌「視覚文化についてのアンケート」の質問表(疑問文ではないですが、問いかけです)の訳です。先生の訳も参考にさせていただいたので大きな違いはないかもしれませんが、先生の訳のみにすがるのも良くないと思ったので担当させてもらいました。

視覚文化についてのアンケート

1.「視覚文化」という学際的なプロジェクトはもはや歴史モデル(例えば、美術史、建築史、映画史など)に基づいては組織されず、文化人類学をモデルに組織されるということが指摘されてきた。それゆえ視覚文化は、「テクスト」と「コンテクスト」という社会=歴史的かつ記号論的な要請やモデルに基づいた「ニュー・アートヒストリー」に関して、脱中心的なeccentric(ときには対立的でさえある)立場にあると主張する者もいる。

2.視覚文化は初期世代の美術史家−−例えばリーグルやヴァールブルグ−−の思考に力を与えていた実践と同じ息吹を含んでおり、それゆえ美術史・建築史・映画史といったメディアに基づいた様々な歴史的諸分野を、初期の知的可能性に立ち戻らせることがその刷新には不可欠だということが指摘されてきた。

3.学際的な見出しとしての視覚研究visual studiesの前提条件は、記号が交換され、ファンタスマが投影されるヴァーチャル・スペースおいて創り直された、非実体的な<イメージ>としての視覚的なものという、新しく精巧に作り上げられた概念だということが指摘されてきた。さらに、イメージに関するこうした新しいパラダイムがもともと精神分析的な言説とメディア的な言説との交差する地点で発展したものならば、視覚研究は今や特定のメディアからは独立した役割を前提としている。その帰結として視覚研究は、謙虚かつ学問的なやり方で、グローバル化された資本という新しい段階に対して様々なテーマを提出することに役立っていると言われる。

4.視覚研究の学際性へ移行しようとするアカデミー内部の強制力は、特にその文化人類学的な様相において、美術・建築・映画といった諸実践の内部に見られる同様の性質の移行と並行していると言われている。

OCTOBER 77,summer 1996,PP.25-70

■こんなにも根付いている
視覚文化研究という言葉だけが、その内容とは無関係に氾濫している。この本は秋葉原で発行されていた雑誌のアニメ・ゲーム特集。アニメ・ゲームを学問的に研究したものではなく、好き物語が溢れている。シニフィアンシニフィエがいかに一致していないかを如実に物語る一例。注文したので、オムレツまでに届けば持って行きます。[rakuten:book:11980510:detail]