レコードと生/死

アドルノのポピュラー音楽論
複製技術と聴取についてアドルノを読み直すことに。ちょうど本が届いたので読み始める。ポピュラー音楽研究ってアドルノを目の敵にしてるけど、結局、議論が行き着くのは「大衆」の位置づけだけで、技術に関する考察は無視されている。その結果、芸術音楽と非芸術音楽を転倒させたものの、それから先がまだ何もない。技術論の無視され具合を確認する。

アドルノ、複製技術へのまなざし―「知覚」のアクチュアリティ

アドルノ、複製技術へのまなざし―「知覚」のアクチュアリティ

関連するものとしてOctober誌に掲載されたThomas Levinのアドルノ音楽論に関する論文もチェック。

■レコードと死
複製技術と死について再びスターンを読み進めることにする。どうやら民族音楽学の話が中心になる様子。缶詰音楽canned music(録音された音楽のこと)についての技術史的な論文がOff the Record

にも掲載されていた。この論文の見解では、缶詰音楽の終焉はハイ・フィデリティ言説が持ち上がる1920年代と同時期だということ。生と死が、メディアをめぐってどのように交錯していたのかを考えることがフォノグラフ論に並行する課題。レコードと音の所有、記憶の問題について考えること。

Off the Record: The Technology and Culture of Sound Recording in America

Off the Record: The Technology and Culture of Sound Recording in America