露光研

沖縄の露光研に行って、発表して、飲んで、香港の風邪をもらって帰って来ました。この風邪はパンチがきいてます。

今回は「レコードという記譜法」というタイトルで発表させてもらいました。19世紀末から20世紀初頭の比較音楽学にみられる楽譜と録音メディアの緊張関係から音楽聴取の変容を考察するという趣旨の発表でした。録音技術の媒介によって文字的な体系と音楽の一致が解体し、連続的で音の質的な要素が中心化される聴取が生じてきたという、図式的に説明可能な、すでにありきたりな議論になってしまった気がします。ただ、これまで音楽研究の中では楽譜と録音メディアは別個の研究分野で扱われ、両者の切断面も相互関係もあまり意識されてこなかったので、もっと議論していく余地はあるように思います。それをどうくみ上げていくか、当面の課題です。指摘をいただいて気づきましたが、同時代のヴェルフリンなんかの議論とも平行するようなので、チェックしてみたいと思います。

遅くなりましたが、研究会の運営を切り盛りしてくださった沖縄県芸の方々には感謝しきりです。どうもありがとうございました。