聴衆論の準備

聴衆論の準備をはじめる。『聴衆の誕生』の近代的な聴衆(自律音楽美学が前提と聴衆)とその再組織化(ポストモダンの聴衆)、アドルノの疎外された産業的聴衆(『啓蒙の弁証法』と『不協和音』)、カルチュラル・スタディーズの生産的あるいは抵抗的な聴衆(『抵抗の快楽』『サブカルチャー』)など、「聴衆」についてのいくつかの議論とその政治的な位置をめぐっての摩擦をおさえておく。とくにカルチュラル・スタディーズは聴衆をめぐる議論において広範囲にわたる影響力をもっているので、その理論的な問題を含めて検討する。(最近では『クラシック音楽政治学』のように芸術音楽のジャンルでも文化研究の方法が取り入れられるようになっている)

クラシック音楽の政治学

クラシック音楽の政治学